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ゲートボールのルール(3)タッチとスパーク

前の記事ではゲート通過による得点方法とチームの得点計算、自球のゲート通過成立後の継続打撃権について学びました。今回はゲートボールの根幹をなす2つのプレーであるタッチとスパークについて述べたいと思います。ここまでの項目、通過とタッチとスパークだけわかっていれば、とりあえず遊べるようになるので頑張りましょう。

先に概要だけ言ってしまうと、タッチをすることによりスパーク打撃という特殊な打撃方法を用いて、自球以外の球を自由に動かせるようになります。スパーク打撃が終了した後にはゲート通過と同様に1回の継続打撃権が与えられます。

タッチ:自球を他球に当てる スパーク:自他球を接触させた特殊な打撃

タッチの定義はインボール(第一ゲートを通過済みでインナーフィールド内にある球)の自球を打撃し、コート内の他球(自球以外の球)に当てることです。コート内の自球を打って、コート内の他球に当てることがタッチであるとも言えます。

タッチの手順:赤1番が白6番にタッチする例を用いて説明する。1.自球(この場合赤1番)が他球を狙って打撃する。2.自球と他球が接触する。3.自球の持っていた勢い(運動量)が当たり方に応じて自球、他球に分配される。(自球、他球の動く向き、距離をそれぞれ黒、赤の矢印で示した)4.自球、他球が停止する。スパークはこの赤1番の停止位置から行う。

自球をA、タッチした他球をBとすると、AがBにタッチ、あるいは主語を省いて、Bにタッチと表現します。タッチが成立して、自球、タッチされた他球の両方がいずれもコート内に静止した場合、スパーク打撃と呼ばれる特殊な打撃を行う義務が生じます。スパーク打撃を省略することはできません。

スパーク打撃とは足で自球とタッチした他球の二個を踏んで自球を打つことにより、接触させた他球に衝撃を伝えて移動させる打撃方法です。この特殊な打撃方法により、タッチした他球を自分の好きな方向に、好きな強さで送ることができます。スパーク打撃は自球がタッチ後静止した位置から行います。足でボールを踏む感じがわかりにくいと思うので、スパークの方法を図にしました。見たことのある方も多いのでは?

右打者のスパーク(側面図):赤1番が白6番にタッチした例を用いて説明する。スパークの手順についてはこのページの下に図があります。1.左足で自球とタッチした他球を踏む。他球は足の外側に自球と接触させるように置く。2.足下の自球を打撃する。3.自球の運動量が接触している他球に伝わり、他球が足下から飛んでゆく。自球はその場に留まる。

右打者のスパーク(上面図):図に示したくらいの位置で自他球を踏む。スパークで他球が飛んでゆく方向は自他球の中心を結んだ線の方向である。ボールを踏む際にかかとは必ず地面に付ける。自球を7割、他球を3割のつもりで踏む。左足の中心線とボールが飛んでゆく方向のなす角度が大体90-110°くらいだとスパークしやすい。

スパーク打撃のやり方とメリット

スパーク打撃の手順は以下の通りです。タッチされた他球を拾い上げ、右打者の場合、静止した自球の上に(他球を飛ばしたい方向と垂直に)左足を置きます。自球を足の内側で踏んだ後、他球を足下の外側に置いて自球と接触させます。このように自球を踏んで他球と接触させる(衝撃により飛ばせる状態を作る)行為を「セット」と呼びます。セットの概念は反則の処置をする時に重要になってきますので覚えておくとよいです。

セットした後は自球と他球が接触していますので、自球を打撃することでその衝撃が他球に伝わり、他球を自由な場所に送ることができます。もちろん上手ければの話ですが。 スパーク打撃をした他球が自球と10cm以上離れた場合、スパーク打撃成立といい、その後1回の継続打撃権が得られます。成立があるからには不成立、つまり失敗もあるわけで、そちらは反則の項でまとめて説明します。

スパークの手順は大変ややこしいので図にまとめておくと、「タッチ成立→タッチした他球を拾う→自球を踏んで他球と接触させる(セット)→自球を打つ衝撃で接触した他球を飛ばす(スパーク打撃)→スパーク打撃成立後、一回の継続打撃権が得られる」となります。

スパークの手順:赤1番が白6番にタッチした例を引き続き用いて説明する。1.タッチ後自他球が静止。2.他球を手で拾う。3.スパーク打撃したい方向を決めてから、それと直交するように足を置き自球を踏む。左足の内側で自球を踏むようにするとよい。4.拾った他球を足下の自球の外側に接触させる。この行為をセットという。接触が甘いと力がうまく伝わらない。5.自球をスティックで打ち、衝撃で他球が足下から離れる。(スパーク打撃)6.スパークした他球と自球の距離が10cm以上離れればスパーク打撃成立となる。7.自球とスパークした他球が静止する。8.自球を今いる位置からもう一度打撃できる。(継続打撃権)

実際の使用例については作戦編で述べますが、タッチにより味方の球をスパークで有利な位置に動かしたり、相手の球をスパークでコート外に出したり、といろいろな使い方ができます。またスパーク打撃成立後に得られる継続打撃権そのものも大きな魅力で、他球を当て続ける限りプレーを継続することが可能です。そしてスパーク打撃により発生した通過、上がりなどは全て有効です。

スパークによって生じた、ゲート通過、上がりは全て有効である。他球を通過させても通過による継続打撃権は得られない。スパーク打撃成立による継続打撃権は得られる。この場合、1番が3番を通過させてもさせなくても、スパーク打撃成立による1回の継続打撃権が与えられる。

タッチとスパークで味方を助け、相手の邪魔をする

タッチとそれに続くスパーク打撃により、タッチした球を自由に動かすことができます。味方の球であれば自軍に有利になるように、相手の球であれば相手に不利になるように動かせるわけです。この味方を助けて相手の邪魔をできるのがゲートボールの面白いところです。

見方を変えればタッチにより、タッチした他球のコントロール権を奪えるということにもなります。桃鉄で言えば勝手にコントローラを強奪され操作されるようなものです。友達にやったらリアルファイト必至です(笑)。

もしタッチとスパークがなければ、ゲートボールは10個の球がバラバラに動くだけの面白味のない競技になっていたと思います。タッチとスパークで相手のボールを動かすことに抵抗のある方もいるかもしれませんが、ルールですから何も恥じることはありません。気にせずどんどんタッチしてどんどんスパークしましょう。