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はじめに~ゲートボールのサイトを作るにあたって~

東京でゲートボールをやっているkmjと申します。この文章を書いている段階(2015年1月)では辛うじて20代です。この世界は狭いので匿名の意味はほとんどありません。 私がなぜこのようなゲートボールのサイトを作るに至ったかといいますと、以下の三つの理由に集約されます。

各項目について簡単に説明します。見出しの色と意味については最下部に凡例があります。

荒川河川敷でのゲートボールの様子

1.ゲートボールの魅力を伝えること(未経験者向け)

ゲートボールは目にする機会の多い競技であるにも関わらず、「トンカチのようなもので球を打ってゲートを通すアレ」以上の知識を持っている人がどれだけいるでしょうか?最近の全国大会優勝チームの主力が10-30代であるとか、20102014年の四年に一度の世界大会の優勝チームが中国チームであったことなどほとんどの方がご存知ないと思います。

私自身のゲートボール歴は高々15年程度ですが、ゲートボールは私がプレーをしてきた範囲に限っても留まることなく進歩を続けています。ゲートボールがただ球を打ってゲートを通すとは全く異なる頭脳スポーツであることを是非皆さんにお伝えしたいと思います。

自分は少々変わり者であったせいか、特に偏見もなくゲートボールを始めて、競技としての面白さに触れることができたのですが、ほとんどの人にとってゲートボールとは老人がやるものであり、お茶飲みや漬物品評会ついでの娯楽としてしか認識されていません。ゲートボールはカッコ悪いという先入観が、競技に対して抱く興味に打ち勝っている状態とも言えます。あるいは競技に対しての知識が無さ過ぎて興味が十分に育っていないのかもしれません。

「ゲートボールなんて絶対にやりたくない」という方は望み薄なので諦めて、そうでない人(間違ってゲートボールを始める可能性のある人)にどれだけ興味を持ってもらえるかが今後の競技普及のキモだと思います。一度でもゲートボールをやってくれた人にその魅力を伝えるのは簡単なのですが、その「一度」の機会を作るのがとても難しい上に、個人の地道な活動には限界があります。

その「一度」の機会が全国で増え、継続的にプレーしてくれようになることを願い、不特定多数に伝わる可能性がある媒体ということでこのサイトを立ち上げました。これからゲートボールという競技にどんな面白さがあるのか熱く、そしてなるべくわかりやすく言語化して伝えてゆきたいと思います。

頭脳と技術の融合した奇跡の競技みらくるすぽーつゲートボールを布教したいということです(笑)

2.ゲートボールの戦術に関する資料の必要性(既存プレイヤー向け)

ゲートボールのような超メジャー競技(少なくとも知名度は最強クラス)について、戦術面で解説をした資料がウェブ上にほとんどありませんでした(ヒットするのは昔自分が書いたものだったり(笑))。Wikipediaは記載も少なく、オカルト戦術論を語っているので全く参考になりませんし、ほとんどのゲートボール入門用の書籍は古い上に、表面的なルールの説明で終わっています。戦術は非常に言語化しにくいためこれは仕方のないことです。

もちろんゲートボールの作戦は実際にプレーして勝ったり負けたり、試行錯誤する中で学ぶのが大原則です。大原則ではあるのですが、作戦を「体で覚えるしか無い秘術」にしていてはゲートボール界がますます衰退してしまいます。作戦こそがゲートボールの醍醐味であると考えている私にとっては、ゲートボール界は非常にもったいないことをしているとさえ思えます。競技の魅力の全てを伝えきれていないのですから。この現状を何とか打破するため、僭越ながらゲートボールの作戦、戦術を言語化する作業を行いました。

戦術の言語化にはかなりの困難を伴いましたが、文章を書く際には以下の方法を採りました。1.国内外の戦術書を読む、2.ゲートボール格言の収集と吟味、3.自分の経験による修正です。

1.についてはあまり説明も要らないでしょうが、過去の日本の戦術書および最近の中国、台湾の戦術書を参考にしました。複数の本で紹介されている戦術というのは、それだけ普遍性があり有用なのだなと感じる反面、国、時代によって重視されるトピックに違いがあって驚きました。

2.は巷に溢れている格言(べし、べからず集)を集め、その内容を再評価しました。競技の核心に触れていると感心させられる格言もあれば、内容のあやしい格言もありました。

3.は文字通り私の経験です。文字にするとどの格言もみんなちがってみんないいような気がしてくるのですが、今までの競技経験から本当に大事な根幹の部分と知っていると役に立つ部分をできるだけ分ける努力をしました。この過程で私の「色」が入ってしまっているのは間違いないので、もちろん万人の満足できる内容ではありません。

本や格言を参考にしてヘボなりにゲートボールの戦術をまとめたということです。

3.ゲートボールの地位の向上(社会全体向け)

最初の項目と関連しますが、現在のゲートボールには負のイメージがつきまとっています。意地悪ゲームだとか、人間関係が煩わしいなど(一部はあたっています)のネガティブな報道がなされることが常です。たまにテレビに出たと思えば年金問題のイメージ映像として使われています。「ゲートボール=老人の暇つぶし」という誤った図式ができてしまったことが競技ゲートボールにとっての最大の不幸でした。

野球やサッカーのような扱いは望むべくもありませんが、競技人口からいってももう少し地位が高くなる可能性はあったはずです。「競技ゲートボールというガチの世界がある」というその事実を知っている人の数が増えるだけで、たとえその人がゲートボールをやらなかったとしても競技の地位は自然と上がっていくのではないかと考えています。

ちなみにゲートボールの競技としての奥の深さはこれ以上ないくらいのものです。私も球技は一通りやったことがありますが、ゲートボールの複雑さ、奥深さは他競技の比ではありません。これだけは胸を張って言えます。面白そうだなと思ったら今すぐ競技を始めましょう!

ゲートボールが余りあるポテンシャルを活かしきれていなくて悲しい。カーリングには勝ちたい!